紅茶の味噌煮込み

東京駆け出し教員日記

短歌の近況

留学中に短歌を趣味として始めてから、早5年近くが経った。感覚的には2-3年くらいのつもりだったので、改めて計算して驚いた。4年前にこんな記事を書いている。 5年やっているとはいえ、私が短歌に向ける熱量には波があり、コロナで実家にこもりきりで博論を…

柑橘あれこれ

突然だが、私はフルーツが大好きだ。嫌いな野菜はタマネギだが、嫌いなフルーツはなく、強いていえばイチジクは大して好きではないが、あれもジャムにしたりするとまあ食ってやってもよいかなという気になる。 「男の一人暮らし」とフルーツ 大学生のときな…

輪ゴムメーカーが心配で朝も起きれない

5年間住んだイギリスから帰ってきたとき、トランクルームに保管していた留学前の荷物を新居に移して、久しぶりの対面をした。あれ、こんなのあったっけと思うような物や、逆に何でこれイギリスに持っていかなかったんだろうと後悔するような便利グッズを発見…

2023年のお仕事

2023年もあとわずかとなった。今年は大学教員として完走した最初の年ということもあり、1年の間に行った仕事についてまとめたいと思い立った。年中何か思い立っていれば毎日が吉日なので、チョロいもんである。これがライフハックというやつに違いない。 学…

海外出版局の編集者と会う

現在の勤務先に着任してから1年余りが経ち、この大学が持っているリソースが世界とも戦えるなと思う部分と、これが自称世界レベルとは・・・と思ってしまう部分の両方が垣間見える出来事がそれなりにあったが、個人的に前者の代表格ともいえるのが、社会科学…

不甲斐ないプリンタ

海外で引越しの多い生活をしていたせいで、できるだけモノを増やさない生活を心がける癖がついた。Marie Kondoよろしく、私もspark joyしないものは所有しないようになり、論文などというものは概して人間のjoyをsparkすることはないので、紙媒体ではなく電…

ロンドンの隣人たち

イギリスでの生活を終え、東京に戻ってきてから今月でちょうど1年になる。東京での生活は便利だし、イギリスのように電力会社が突然意味不明な請求書を送ってきたり、電車が突然運休になったり、出先にトイレがなくて危機に陥ったりすることがないので、生活…

冷やし中華と野球

阪神タイガースがペナントレースをリードしている。2年前もシーズン途中まで首位を走っていたのだが、後半ヤクルトに追い越されて優勝を逃した。そもそも阪神はこの18年間、優勝していない。最後に優勝したのは、なんと私が小学校を卒業した年である。 だか…

索引作成者という仕事

どうも忙しくて前回の記事から時間が空いてしまった。忙しいといっても、別に夜中や土日まで仕事をしているわけではないし、日々7-8時間は寝て友達と飲みに行ったり趣味をする時間はあるのだが、何か気忙しいというか、時間が足りない感じがするのだ。 授業…

グレープフルーツはグレープではないのか

「生産的」な休日? 「休みの日は何してるんですか?」というのはよく知らない人との当たり障りのない会話において最頻出の質問の1つであるが、こうした質問は往々にして最も答えにくい質問でもある。私はこれを聞かれた際には、短歌がどうとかスカッシュが…

学会づくしの3月

「一月は行く、二月は逃げる、三月は去る」とよく言うが、と言おうと思っていたのだが、最近Twitterで、これは主に西日本で言われていることで、東日本では聞いたことがない人も多いという投稿があって、びっくりした。東日本では1-3月が過ぎる速度は遅いの…

気まぐれなまぶた

今日は少し寒かったが、ここ数日春のような陽気が続いていた。外を歩いていてもふとした瞬間に春の匂いが漂ってくるような気がして、つい深呼吸してしまう。先週末は湯島天神の「梅まつり」に行ってきたが、桜ほど派手ではなく、淡い梅の花が裸の枝に小さく…

捨てる神(×7)あれば拾う神あり:論文出版こぼれ話③(CP)

「1月は行く」などとその過ぎる早さを指して言われるが、2023年の1月は私にとってはかなり長かった。正月早々、実家から帰京しようと思った矢先に母親のコロナ感染が発覚して滞在を延長し、ようやく東京に戻ってきたと思ったら今度は手足口病のような発疹が…

旧年の振り返りと新年の抱負:2023

いつの間にか2022年も終わり、2023年になった。年をとるにつれて、1年が経つのが早くなるとはよく言う話だが、去年に限っては逆に随分長く感じた。というのも、やはり変化の大きい年であったということが一番の理由だろう。夏まではまだイギリスにいたのでそ…

ゾウの時間、査読の時間:論文出版こぼれ話②(EJIR)

先月頭にEuropean Journal of International Relationsという雑誌に、新しい論文が掲載された。私は博士課程まで、「天然資源が主権国家の独立過程に与えた影響」というテーマを研究していて、事例としては東南アジアのブルネイ、中東のカタールやバーレーン…

Twitterが終わったらブログで会おう

Twitterがもうすぐ崩壊するかもしれないという話がにわかに現実味を帯びてきて、フォローしている海外の研究者の中にはMastodonという別のメディアに移動するという人もちらほら出てきた。かと思うと日本の政治学界隈では、そんなことなどどこ吹く風でまた方…

イギリス企業との仁義なき戦い

日本に帰ってきてから1ヶ月半あまりが過ぎたが、国を越えた引っ越しというのは大変なもので、5年間で溜まった荷物や家具などを整理するのも一苦労だったし、5年間住んでいなかった国で新たな生活を立ち上げるのもなかなか骨の折れるものだった。 不動産屋と…

長旅の(とりあえずの)終わり(?)

東京でこの記事を書いている。 ブログの方では発表していなかったのだが、この度自分が学生時代を過ごした東京大学に職を得ることになり、それに合わせて本帰国した。博士課程のためにオックスフォードに旅立ったのが2017年のちょうど今頃であったから、その…

ロンドンでメンズ服を買う①:導入

やはり5年間海外で生活していると、色んなことが現地化されてくるもので、つまみもなしにビールが飲めるようになるし、パブで仕事ができるようにもなるし、休日など昼間からビールを飲んでも罪悪感を覚えなくなる。Sushiを寿司とは別モノとして評価できるよ…

コロナに罹った

なんと前回の投稿から2ヶ月以上も間が空いてしまった。この間何があったかというと、色々あったようでもあり、特に何もなかったようでもあるのだが、まあ人生というのは得てしてそういうものだろう。 ただ、まあ重大事件というのは確かにあって、それは何か…

学会ハシゴ紀行:LA→ホノルル→ナッシュビル

先月の下旬から昨日まで約2週間にわたって、2つの学会に出席するためにハワイとテネシーのナッシュビルに行ってきた。数日毎に違うタイムゾーンに移動し、2週間も外泊するのはけっこう体力的にもしんどかったが、とても実りある時間だったので簡単に書いてお…

オックスフォード、1年越しの卒業式

先月の最後の週末に、オックスフォードに行ってきた。卒業式に出るためである。 といっても、私がプログラムを修了し、博士号を取得したのは2021年の2月、1年も前のことである。なぜ今頃卒業式なのかというと、まずもちろんコロナということもある。2020年の…

ネギが先かタマネギが先か

突然だが、タマネギが嫌いだ。外皮を見れば一見フルーツのような姿をしていながら、剥いてみればどこまでが皮なんだかわからないような無限繰り返しの白い板の集積で、包丁で切れば目がやられるし、食べてみると、付け合せのサブみたいな顔をしていながらそ…

旧年の振り返りと新年の抱負

新年が始まって2週間ほどが過ぎた。私は去年と同じく今年も年末年始に帰国することはできず、海外での年越しとなった。夏はヨーロッパ、冬は日本/アジアという過ごし方ができれば最高なのだが、残念ながらなかなかそうもいかない。これからイギリスは寒さが…

2021年に読んだ小説

昨年と変わらず、2021年もめちゃくちゃな1年だったが、パンデミックも1年以上経つとずいぶんと慣れてきて、急な予定の変更などにもあまり動じなくなってきた。それが良いことかというと必ずしもそうではなくて、要するに最初から半分諦めてしまっているとい…

ケンブリッジで自分の授業を教える

更新が1ヶ月以上も滞ってしまった。学期に入ってから色々と非常に忙しく、充実してもいたのだが、ブログに回している時間がなかったのが正直なところである。間が空きすぎて勘が鈍ったのか、安物YouTuberみたいなタイトルしか思い浮かばなかった。この期間に…

ケンブリッジのポスドク仲間たち

すっかり更新が滞ってしまった。イギリスはどんどん寒くなってきて・・・と言おうかと思ったが、ここ最近はそんなに寒くもなく、雨もあまり降らないでどちらかというと(イギリス基準では)過ごしやすい天気が続いている。まあ、これが一瞬で暗転することは…

もう「学生」ではないということ

ケンブリッジに来て3ヶ月が経ったが、ちょうど旧年度の終わりに来たので、まだ学期中の大学というのを経験していない。それでも、ちょうど採点作業が終わって夏休みに入る前に、ケンブリッジにおける受入教員であるジェイソンや、その他の教員・ポスドクと結…

2回目接種をめぐる情報戦

制限撤廃とワクチン接種レース 日本ではオリンピックの傍ら感染者数が増え続けていることに対する懸念が高まっているが、ご存知の通り、デルタ株全盛のイギリスは毎日3万人程度の感染者数を出しつつ、今月19日からほとんどの制限が撤廃され、国内にいる限り…

所変われば

早いものでイギリス生活も4年目が終わろうとしている。もっとも、その間一時帰国したりフィールドワークに出ていた期間も長いので、実質の滞在期間はもっと短いのだが、まあイギリスに本拠を置いて4年、ということは確かだ。 前回の記事で「好きな〇〇は何で…