紅茶の味噌煮込み

オックスフォード留学記

一時帰国中のSIM問題

大学・大学院留学生にとっては、5・6月のこの時期は、大学の学期が終わり、長い夏休みに入る時期だ。この時期に、日本に一時帰国しようという人も多いだろう。私もその一人である。 普段外国に基盤をおいて生活している私たちが、日本に一時帰国した際に困る…

オックスフォードな人々①:ドミニク

ちょっと最近暇があるので、ブログでも書こうと思っていたら、もう随分と長い間オックスフォードのことについて書いていないことに気づいた。まあカタールに行っていたので当然なのだが、副題に「オックスフォード留学記」などという凡庸な名前を付けている…

笑気ガス抜歯体験記

歯医者に行くのがキライだ。 まず混んでいるのが気に入らない。予約の電話を入れようとしても、空いている時間の方が少ないくらいだ。歯医者に行くのが趣味という人でもいるのだろうか。 次に歯医者に時々チャラチャラした連中がいるのが気に入らない。親や…

2019年1月-3月に読んだ小説

あれよあれよという間に日本は新年度になってしまった。ピカピカの一年生も、ピカピカじゃない一年生も、ピカピカの三年生も、四年生も、かつてはピカピカだったかもしれない大人たちも、それぞれの感慨に浸りながら桜の木を見上げる季節だ。 3ヶ月前には「2…

カタール日記 総集編:ドーハでわしも考えた

約2ヶ月半に及んだカタール、ドーハでのフィールドワークを終えた。この間の生活について、ブログでも毎週まとめようと思っていたのだが、最初の2週間しか続かなかった。この点に関しては誠に慚愧の念に堪えないのだが、言い訳をすれば、毎週更新するほどの…

テラスハウス論②:テラスハウスは何がいいのか?

前回の記事はこちら 前回は、海外留学中の院生・学部生の間で「テラスハウス」が流行していることを紹介し、日本ではこうした恋愛リアリティ番組に縁がなかった層の人々が、海外でテラスハウスを「逆輸入」する過程について書いた。テラスハウスを観始める「…

英米政治学Ph.D出願の記録 番外編③:オックスフォード政治学博士課程に来ない方が良い理由―2019年3月現在

前回の記事はこちら 前回の記事では、進学から1年半あまりが経って、オックスフォードに来てよかったと思う点を振り返ったが、今回は逆に、オックスフォードに来ることのリスク、不満な点を挙げていく。良い部分だけを強調して、すべてが薔薇色であるかのよ…

英米政治学Ph.D出願の記録 番外編②:オックスフォード政治学博士課程に来た方が良い理由―2019年3月現在

1月は行く、2月は逃げる、3月は去るなどと昔から言うが、今年もあっという間に2ヶ月が過ぎ、3月になってしまった。留学組にとって1月下旬から4月前半の時期は、毎日そわそわする落ち着かない時期である。というのも、出願した大学院から合否が送られて来て、…

テラスハウス論①:なぜ海外大生はテラスハウスを観るのか?

海外で生活していると、やはり時々日本のものに触れたくなる。それは食べ物であったり、人であったり、景色であったり、はたまた風の匂いであったりするわけだが、テレビ番組、というのもその中に含まれる。とはいえ、実際に日本に帰ってテレビをつけると、…

カタールの観光名所

カタールでは、他のイスラーム諸国と同様、土日ではなく金曜日と土曜日が休みであるという話は以前の記事でもしたが、週末には大学から人が消え、キャンパス内を結ぶシャトルバスも走っていないので、通常通りオフィスで仕事をする、というのが難しい状況に…

夢のフシギ

僕には夢がある。希望がある。そして持病がある。 そういうアフラック的な話をしたいのではなくて、夜寝ている間に見る夢の話だ。誰しも夢は見ると思うが、私は人と比べても夢をよく見る方だと思う。そしてその内容を比較的よく覚えている。 その夢について…

カタール日記 Week 2:世界一退屈な街?

カタールはドーハでの「フィールドワーク」生活も、もう3週間近くが経過しつつある。こちらでは、土日ではなく金土が週末なので、日曜日に大学に行くとついつい月曜日感覚になってしまう癖が抜けない。月曜日は火曜日感覚、火曜日は水曜日感覚・・・とずれて…

カタール日記 Week 1:砂漠の国の豊かな暮らし

カタールはドーハに着いて、10日が過ぎた。実感としては、まだ10日しか経っていないのか、という方が近い。もう1ヶ月くらいいるような気がする。 以前の記事では「出国前症候群」について書いた。ああいう文章は、決まって夜に、少し目を細めて心持ち斜めを…

意欲的な学部生のためのアウトプット媒体―懸賞論文という選択肢

研究者の最も重要な仕事は、研究成果を論文や本の形で出版することだろう。どの学問分野にも実に様々な雑誌が存在して、各国の研究者がその研究成果を発表している。研究者志望だと言うと、よく「勉強が好きなんですね」という、恐らく悪気のない、しかしあ…

出国前症候群

「あと3日で日本を出発して、留学先に戻る。次に帰国して家族や友達に会うのは、半年後だ。」―そういう夜に、「それ」はやってくる。 留学先にも大事な人達はいるし、生活も楽しいけれど、帰国した時のような心からの安心感、心の内奥に張り巡らせている膜が…

捕鯨、優生思想、同じ顔―腸が煮えくり返った話

「人生山あり谷あり」と言うが、生きていれば良いことも悪いこともある。そういえばこの山あり谷ありというのはどういう意味だろう。山が良いことで谷が悪いことなのか、あるいはここには出てこない、歩くのが楽な平地だけではなくて、登るのが難しい山や上…

新しい年を迎えて

あけましておめでとうございます。 2018年は過ぎ去り、2019という新しい年がやってきた。「2018」という数字は埃に覆われてくすんで見えるようになり、一方で「2019」という数字にはおろしたての新鮮さを感じる。などというのは今だけのことで、我々はじきに…

2018年に読んだ小説

言うまでもなく大晦日だ。街は静まり返り、そば屋は年に一度の特需に湧き、うどん屋はそれを見てほぞを噛み、夜になれば誰もその勝敗の行方に興味のない合戦が始まる。プロ野球選手などは「チームの勝利が最優先なので、個人の記録はどうでもいいです」など…

きのこたけのこ論争という結果の分かり切った議論について

日本に帰って来ると食べたいものが沢山ある。寿司はその筆頭で、海外でもSushiが食べられるとは言ってもそれはSushiであって寿司ではない(両者は似て非なるものである)し、ラーメンもまた海外で食べられるものの大半はRamenに過ぎない。イギリスの有名和食…

「目的」としての日本研究、「手段」としての中国研究?

学期が終了し、オックスフォードは徐々に学生の数が減って空っぽになりつつあるが、私も今週パリ経由で帰国する予定だ。パリで3泊ストップオーバーするという旅程は1ヶ月ほど前に決めたのだが、ここに来てパリの政情が怪しくなってきた。毎土曜日に大規模な…

無理矢理記事を書く

11月も今日で終わりである。月の終わりに際して、私には1つ気にかかっていることがあった。 今月は2本しかブログ記事を書いていないのである。ブログ右の「月別アーカイブ」を見て頂ければ分かるが、2018年になってから私は毎月少なくとも3本の記事を執筆し…

留学生は休暇をどこで過ごすか問題

冬が厳しさを増してきた。やはり将軍まで出世するだけはあって、冬というやつはなかなか毎年強大な力を発揮するもので、この1・2週間であっという間にイングランドを制圧してしまった。街は戒厳令下にあり、配給制になった日光を求める人々の長蛇の列がそこ…

オックスフォードカレッジ紀行③:St. John's College

お金は大事である。いくら研究に専念する大学院生といっても霞を食べて生きていくわけにはいかず、先立つものが必要になる。それにそもそも人間が霞を食べて生きていくことができれば、それを商売にしようとする人間が現れるのが世の常というもので、結局は…

散髪迷走記、あるいは「ぼんち揚」をめぐる物語

外国に住むということは、当然だが、生活上のあれこれを外国のものに切り替えていくということを意味する。現地の銀行にお金を移し、現地の食材を使って料理をし、現地のティッシュで鼻をかまなければならない。もちろん日本から持ってくることができるもの…

"Your English is good." は褒め言葉か

英語圏で学位を取ろうと留学している人は、英語圏で生まれ育ったほぼネイティブの人を除いて、誰でも英語に悪戦苦闘した経験を持つだろう。外国語を第二言語として「習得」することは簡単なことではなく、今ではものすごく流暢に聞こえる人でも、そこにたど…

ラストイヤーをもう一度

イギリスに戻ってきて、1週間が過ぎた。去年と同じ寮の建物の違う部屋に住んで、相変わらずカレッジを中心に生活を送っている。指導教員とも年度初めの顔合わせをして、今年度の計画を確認した。1月からはフィールドワークが待っているので、色々と準備をし…

「栄養バランスの先送り」はいつまで可能か?

20代も半分を過ぎると、体質というのは変わるものだ。大学卒業くらいまでは、クアラ・ルンプールを「クアラルン・プール」だと信じていたのと同じくらいの強さで、自分は何をいくら食べても太らないと思い込んでいた。しかしここ1・2年くらいで、高校時代か…

海外院生が応募できる国内研究助成リスト

研究にはお金が必要である。実験器具とか設備を揃えなければいけない自然科学系の人たちはもちろん、社会科学にも実験をする人はいるし、フィールドワークをする人もいる。また研究を国内外の学会で発表する際には、その交通費旅費なども必要だ。近年は論文…

都会の昆虫少年だったあの頃

月末から月初にかけてアメリカに行って学会発表をしていたため、更新がだいぶ滞ってしまった。このブログの月別記事数を見てみると、ほとんど月3記事ペースで書いているようだが、6月と7月は休み期間だったからか、更新頻度が増えていた。しかし8月で月3に逆…

犬も歩けば犬に当たるか?

犬派猫派論争というものがある。人々の選好を明確に二分することが可能であると信じる楽観的な思考の持ち主が、飲み会の席で一通り話題が出尽くした後、お代わりのウーロンハイを頼みつつ持ち出す、アレである。 個人的には、そもそもなぜ犬好きと猫好きが同…