紅茶の味噌煮込み

オックスフォード留学記

今学期の雑感(MT 2017)②:生活面

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試験期間というのは嫌いだ。もう準備できているので他のことをしても良いはずなのだが、何か試験が終わるまではその対策をしていないといけないような気になる。なので結局時間を無駄にしてしまう。できればもうペーパーテストは受けたくないものだ。

中途半端に時間が余っているので、ここで前回の続きとして生活面に関する記事を書いておこうと思った次第である。

  • カレッジという制度は素晴らしい

生活面で特筆するべきはやはりオックスブリッジ独特の「カレッジ」(ちょっとカッコつけて言うと(?)コレッジ)制度であろう。オックスフォードはカレッジの集合体みたいな話は既にどこかで書いたような気がするし毎回説明するのも面倒なので省略するが、大学院生にとってカレッジとは生活基盤であり、コミュニティであり、「家」である。友達の多くはカレッジででき、カレッジで食事をし、カレッジで眠る。おやすみ。

おはよう。そう、それでカレッジの何が良いかというと、自分の同期以外に広く交友関係を築けるところである。Ph.Dの院生というのは、自分の研究にこもりがちになるし、自分の日本での経験から言うと、少しの例外を除いて同期や学部の先輩後輩との関係は「友人」というよりは「同僚」に近く、リラックスして話せるとは限らない。というかそもそも母集団が小さいので気の合う友人を見つけられる可能性は高くない。さらにアメリカのPh.Dプログラム等だと、他のプログラムの人と繋がる機会はなかなかない(伝聞)から、交友範囲は狭くなりがちである。その点、カレッジというものがあることで、同じ敷地内で起居する100人単位の多様な人々の中から友人を作ることができるという環境はやはり得難いものがある。少なくとも、日本にいて一人暮らしの部屋と大学を往復していた時と比べると、より生活は楽しく、ストレスも少ない。

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カレッジの食堂に設置されたクリスマスツリー
  • 適応がかなり早く済んだ

おそらくはこうした環境のお蔭もあって、こちらでの生活に適応するのはかなり早く済んだ。トロントの時は、記憶がある限りでは初めての海外生活ということで、最初戸惑うことも多かったし、住んでいた寮の周りがほぼ全員ネイティブの1年生の中で英語もまだまだな3年生という状況であったため、周りとのギャップも感じることが多かった。しかし今回はそのトロントの経験があるし、周りの人々も多くはノンネイティブで、専門分野もある程度近く、かつ全員が同時に外国で新しい生活を開始している。そのため話題も多いし、周りに置いていかれる感じも少ない。

  • 英語は上達したのか分からない

言語習得というのは直線的にやればやるほど上達するというものではなくて、階段状にあるときポンと飛躍するようなものだと聞く。自分はこの2ヶ月あまりで飛躍したのかどうかは正直なところ分からない。周りがノンネイティブということは、話しやすいのは確かだが、同時に「ミスしてもいいや」というメンタリティが生まれてしまうことも確かである。どうせお互い完璧ではないのだから、肩肘張らなくてもいいというか。なので「甘え」が生じる面はある。

特に自分がまだまだだなと感じるのは、スラングをあまり知らないことと、あまり英語圏の音楽・テレビ・芸術といったものに触れてこなかったためこうした分野の語彙が少ないことである。あと食べ物や生物の名前なども、分からないことが多い。よく言語のレベルを言う時に「日常会話程度は…」などと言う人がいるが、私見では、ある程度以上のものを求めると、日常会話の方が遥かに専門的な会話よりも難しい。自分のレベルの低さを特に実感するのは、例えばクイズに参加したときである。クイズというのは一般常識+αみたいなことを問うわけだが、こちらで共有されている一般常識を自分があまりに知らなすぎて、全然答えられないことになる。まあ、こうした話は別の機会に改めて書きたいと思う。

一方、もしかしたら成長したかもと思ったのは、「相手によって自分のレベルがばらつくことがなくなった」ということである。以前は、自分と同じくらいまでのレベルの人と話す時は自信を持って話せるものの、自分より上のレベルの人、あるいは緊張を要する先生と会話するときなどは、普段の自分よりも何倍も詰まったり言葉が出てこなかったりしたものだった。しかし最近気づいたのだが、いつの間にか相手によって自分のレベルが変わることはほとんどなくなっていて、これに気づいた時はとても嬉しかった。まあしかしまだまだである。

  • ロンドンには行かなかった

オックスフォードはロンドンから電車で1時間、バスで1時間半程度であり、普通に買い物でぱっと行ける距離なのだが、結局今学期は一度もロンドンには行かなかった。ロンドンには知り合いもいるので、週末に行ったりするだろうなと思っていたのだが、予想に反して行きたいともあまり思わなかった。新たにショッピングモールができたりして買い物は市内とAmazonで完結するし、空港に行く際もオックスフォードから直通バスがある。わざわざロンドンに出向く用がなかったのだ。要はそれだけオックスフォードに満足していたということだろうが、まあしかし資料調査もあるし、そのうち行くようになるだろうとは思う。

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友達のカレッジ(St. Catherine's College)のクリスマスディナーに招待してもらった。