紅茶の味噌煮込み

東京駆け出し教員日記

オックスフォードカレッジ紀行⓪:前置き―カレッジという制度

最近忙しく、ブログの更新が滞ってしまっていた。書き続けなければ埋もれてしまうだけ(書き続けていても埋もれてしまうけど…)なので、時間を見つけて何かしら書いていきたいと思う。

さてこのところ少々堅めの話題が続いていたので、今回はソフトなテーマで記事を書いてみたい。オックスフォードといえば、「カレッジ」という独特のシステムがあることは以前の記事でも書いた。ちょうどハリー・ポッターのグリフィンドールやスリザリンのようなもので、学部生にとっては生活と勉強両方の場であり、院生にとってはコミュニティ的な要素を持つ。学部生は入試の出願自体、大学ではなく各カレッジに出すことになっていて、院生は出願の際希望するカレッジを1つだけ選ぶことができる(が、そこに入れるとは限らないし、また希望を出さず割り振ってもらうという選択肢もある)。

いずれにせよ、カレッジという制度はオックスフォードを理解する上で欠かせない要素である。カレッジ毎に敷地があり、寮や食堂やスポーツ施設などがある。財政的にも各カレッジは個別に運用されていて、豊かなカレッジと貧しいカレッジが存在する。たしか豊かなカレッジの筆頭であるSt. John's Collegeは、その所有する敷地だけで(あるいはケンブリッジにある姉妹カレッジの敷地と合わせるとだったか、うろ覚え)オックスフォードからケンブリッジまで(直線距離で70kmほど)繋げられるという話を聞いたことがある。また、All Souls Collegeのように、独自の選抜試験を設けて毎年わずか10人程度のフェローだけを受け入れる、という謎に包まれたカレッジもある。

しかし、観光でオックスフォードに来ても見ることができるのは、38あるオックスフォードのカレッジのうち、せいぜい2つか3つ程度ではないだろうか(それ以上見ても退屈というのもある)。しかも、カレッジによって一般公開している時間はまちまちだし、入場料を取られることもままである。外部の人にとっては、カレッジの中を知るのはかなり難しい。

そこで、今回から、自分が訪れたオックスフォードのカレッジを順番に紹介していきたいと思う。留学期間はまだまだ先が長いし、そんなに頻繁にカレッジ巡りをしていられるほど暇なわけでもないため、更新頻度がどれだけのものになるかは正直分からないのだが、長い目で見て頂ければ幸いである。第一回目は、自分が所属するSt. Antony's Collegeを取り上げる予定。