紅茶の味噌煮込み

東京駆け出し教員日記

ティッシュペーパーが異常に高くて硬いこの国で

前回はかなり真面目なことを書いて、今までで一番反響があり、驚くと共に嬉しかった。そこで今回も何か有意義なことを書いてブログの読者を繋ぎ止め、あるいは増やしていこうという欲に駆られそうになるが、そうは問屋が卸さない。今回は誰が見てもどうでもいいようなことを書くのだ。

タイトルが今回の記事の内容を端的に表している。要するにイギリスはティッシュが異常に高くて異常に硬いということを言いたいのだ。何をしょうもないことをという反応は至極もっともだが、一般に人の苦しみというのは当人にしかわからないものであって、それを外野が取るに足らないとか自分の方が苦労したとか言うのはとんでもないナンセンスである。まあでも今回に関しては別にどうでもいいのでそうした反応も許そうではないか。ついては寛大な心の持ち主として永く記憶して頂きたい。

この時期、日本在住の皆様におかれては、花粉という植物の非効率的な生殖活動によって大いに頭と目と鼻と喉を悩ませているに違いない。海外に行けば花粉症にならないと思っている人も多いかもしれないが、世の中そんなに甘くはない。確かに日本よりは軽い場合も多いと思うが、こちらでも、持っているアレルギーの種類によっては花粉症が発症しうるのである。詳しくはこちらを参照。 

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何らかの花粉によって、私も現在寝起きは少し目が痒かったり、鼻水が出たりする。となると重要なのが、ティッシュである。ティッシュの質が悪いと鼻が荒れる。逆にティッシュの質が良いと花粉症さえも美しい日常の一コマと化す。それほどティッシュは重要である。

しかしイギリスのティッシュは異常に硬いし異常に高い。硬さを言葉で伝えるのは難しいが、例えば最もメジャーなスーパーであるTescoで一番安いティッシュを買うと、これを鼻に入れるのは段ボールを鼻に入れるのと同じようなものである。まあそれは言い過ぎにしても、本当にごわごわでがさがさでこれがティッシュだとはおよそ思えない。ティッシュを定義せよと言いたい。その上そんなものが1個1ポンド近くしたりする。日本のように4個パックで298円、というのではなくて、1箱で100円以上するのだ。

しかもこれは最低級のものの話であって、より質の高いティッシュともなると1ポンドでは済まない。イギリスで売られているティッシュの中で、自分が試した結果唯一花粉症であっても使用に耐えうると判断できるのは、KleenexのUltra Softである。これは鼻セレブほどではないにせよ、日本で売られている一般的なティッシュ程度には柔らかい。驚くのはその価格で、一度ドラッグストアでこれを1箱買ったときは、1つ2ポンド以上した。つまり1箱で300円以上。日本なら4、5倍の量が買える。衝撃であった。

なぜこんなにイギリスではティッシュが硬くて高いのかについて考察するほどの時間はないが、目下の悩みは、価格を優先して鼻を鍛えるのか、健康を優先して価格を我慢するのかということである。たかがティッシュ、無論多少高かろうが買うことはできる。しかしこの国で生きていきたいのならば、この硬いティッシュを甘んじて受け入れ、訓練の末に「イギリスの鼻」を手に入れるべきではないのか。それが異国で生きるということではないのか。そんな葛藤に悩まされ、Amazonの注文ボタンを押せずにいる。