紅茶の味噌煮込み

東京駆け出し教員日記

ウィンブルドン

世界がワールドカップで盛り上がっている今日この頃だが、現在、その陰でもう1つの世界的スポーツ大会がイギリスで開催されている。ウィンブルドン・テニス選手権である。

今でこそあまりプレーもしていないが、中高テニス部で、一時期はテニス雑誌も毎月購読して選手の名前を覚えたりしていた私は、「イギリスに行ったらウィンブルドンを一回観に行ってみたいなあ」などと思っていた。その機会は思ったより早く訪れた。

ウィンブルドンは、その規模や知名度の割に、事前に指定席がくじで割り当てられる他、何時間か並べば当日券が買えるという、意外にも比較的見に行くのが容易なのだ。といってもこれは後から調べた情報で、私のチケットの入手経路は、オックスフォード大学のテニス部だった。あまり行っていないのだが、私は一応テニス部の会員になっていて、会員には毎年ウィンブルドンのチケットのballotへの参加権が与えられるのだ。当選する確率はかなり高いと思うのだが、どの日のどのコートになるかはランダムに割り振られる。初日のNo.3コートとかになる可能性もあれば、センターコートでの決勝が当たる可能性もある。

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No.1コート。

私が当たったのは、7月4日のNo.1コート、2回戦であった。そこまで運がいいわけではないが、最初の方が試合数も多いし、有名人が出る試合もそこそこあるので、意外と悪くはなかったのかもしれない。何より初めてのウィンブルドンに、市場価格より安く行けるのだから、文句はないのだ!前日から久しぶりにウキウキしていた。

オックスフォードからウィンブルドンへのアクセスは、まずパディントンまで鉄道で行って、そこから地下鉄のDistrict lineに乗り換えて20分ほどのSouthfields駅で下車し、15分ほど歩く、というルートになる。大混雑を予想していたが、平日ということもあってか、District lineの中は大した混雑ではなく、駅から会場への道がそれなりに混んでいる、という程度であった。ウィンブルドンがこんなにロンドンから近いとは知らなかった。

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Southfields駅

テニスの大会の試合がすべてこうなのかは知らないが、ウィンブルドン観戦の良いところは、センターコートとNo.1-No.3コートは指定券がないと見られないが、4番コート以降のコート(outside courts)は自由に観戦でき、かつプレーを間近で見られるのだ。私達もNo.1コートとoutside courtsを往復して色々な試合を見た。

最初に見たのはVenus Williamsの試合。最近の動向を追えていない私でも、ヴィーナスとセリーナのウィリアムス姉妹はもちろん知っている。私がテニス小僧だった約10年前からずっと活躍しているからだ。自分の視界の中で雑誌やテレビでしか見たことがなかったトッププロがプレーしているというのは、なんとも不思議な感覚であった。野球も好きでよく観に行くが、それよりももっと不思議な感じ。世界だからだろうか。

ヴィーナスの勝利を見届けた後は、outside courtでダニエル太郎と西岡良仁の日本人ペアのダブルスを観に行ったが、こちらは結構あっさりと負けてしまった。しかし間近でプロの試合が見られるというのは本当に興奮する。

今回見た試合の中で一番印象的だったのは、Ivo KarlovicとJan-Lennard Struffの試合だ。211センチのカルロヴィッチと196センチのストルフはどっちもサーブがとんでもなく速く威力抜群で、この2人のビッグサーバー同士がサービスゲームをひたすら取り続ける。当然ほぼ毎セットタイブレークまでもつれこむ。結局、タイブレークのない最終セット以外の4セットのうち、3セットがタイブレーク、最終セットは13-11でやっと決まった。ほとんど全てのポイントがサーブで決まるので、ラリーを見たい人にはある意味「退屈」だが、サーブ&ボレーに全てをかける選手には、凄みがあった。川上健一の『宇宙のウィンブルドン』という小説を思い出した。

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カルロヴィッチ。負けたけど相手より終始落ち着いていてかっこよかった。

ウィンブルドンはその他にも、色んなグッズが売っている売店があったり、巨大なモニターの前の芝生で休めるスペースがあったり、名物としてイチゴにクリームをかけたものが売っていたり、ビールやピムスが飲めたりと、休日の過ごし方としてとってもおすすめである。今年最高の休日の1つであった。あーまた行きたい!

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昼ごはんはカツカレー。平日昼間からビール。

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巨大モニター

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モニター前の芝生。人がいっぱい。