紅茶の味噌煮込み

オックスフォード留学記

夏の終わりと始まり

今日からちょうど1週間前はTransfer of Statusという、博士論文計画のディフェンスだったのだが、この1週間はぼーっとしていたようであまりこれといった記憶もない。大した仕事をしていなかったのか、あるいは何かしていたが記憶を失っているだけなのか、どちらにしてもあまり良いものではないのである。だがまあそんなことはよい。

Transfer of Statusというのは、同じことを何度も書いている気がするが、博士課程の第一関門的なもので、2人の指導教員以外の教員が審査をし、面接でディフェンスしなければならない。極稀にしか落とされることはないのだが、やはりそれでも緊張する。しかし、審査員のAndrew Hurrell先生とLouise Fawcett先生は、どちらも自分の研究内容に関心を持ってくれ、好意的なコメントをくれた。面接も終始和やかな雰囲気で進んでよかった。それでも部屋を出たときは汗をかいていてちょっと頭がぼーっとしていたけど(どうやら自分はよくぼーっとしているようだ)。

Hurrell先生はオックスフォードのIRのボス的な存在で、Fawcett先生は学部長で正真正銘の「ボス」であるから、2人共シニア教員なわけだが、私の経験則ではシニアの先生の方が若い先生よりも優しいので、この2人を審査員に選んだ指導教員と自分の選択は間違っていなかったようだ(もちろん専門分野が近いというのが一番の理由だが)。

何にせよ、6月に年度が終わった後に1ヶ月オックスフォードに残っていた主な理由であるトランスファーが終わって、肩の荷が下りた。明後日にはヘルシンキ経由で東京に向かって出発することになる。

しかし、この1ヶ月は振り返ってみるとなかなか楽しかった。やはり夏だから気候は他の季節より良いし、特に今年はよく晴れて暖かかった(ちょっと暑すぎたくらいだ)。多くの友達は既に各々の国に帰ってしまっていたけれど、残っていた友達と毎日のように夜は出かけていたし、日中は学部のデスクで朝は博士論文関連の論文を読み、昼は投稿予定の論文を書く、という比較的規則正しい生活ができたので満足だ。特に、一緒に残っていた日本人の2人とはほとんど毎日のように会っていて、一緒に食事をしたりパンティングに行ったりテラスハウスを観たりしていて、この2人のおかげで今月はとても楽しかった(そして2人ともこのよく分からないブログを読んでくれている。笑)。

しかし、そのうちの1人は卒業して明日帰国してしまうし、自分も明後日オックスフォードを発つ。また、3週間ほど雨もふらずに太陽燦々だった天気が、先週から崩れ始め、最近は毎日曇っていて気温も下がってしまった(こちらが本来の天気なのだろうが)。そうした複数の要素が相まって、現在絶賛「夏の終わり」モードである。森山直太朗が脳内で連続再生されている。最近ジムに行くときに時々聞いているフジファブリックの曲に「茜色の夕日」というのがあって、その中の歌詞に「短い夏が終わったのに今子供の頃のさびしさがない」という部分があるのだが、今の私には子供の頃のさびしさがある。数日前に26歳になったが、少年の心を失っていないのだと好意的に解釈しておく。

だがよく考えてみれば、もうすぐ帰る日本は夏真っ盛りで、うんざりするような暑さが続いているはずだ。そしてこの先まだ「夏休み」(といっても、研究を志す人間にとって休みとは休みなようで休みでないものだということは繰り返し強調しておきたいが)は2ヶ月もあって、まだ3分の1しか終わっていないわけである。言ってみればこれから夏が始まるようなものだ。日本で食べたいものも行きたいところも会いたい人もやりたいことも沢山ある。そう考えれば楽しみだ!虫かごと虫網を持って野山を駆け巡った(想像上の)夏休みのウキウキ感が戻ってきた。

というようなとりとめのないことを書いていて、どこかでこの記事のタイトルを見たことがあるような気がして探してみたら、ほとんど同じようなタイトルの記事がネット空間に転がっていた。誰だか知らないが、どこかにセンスの良いやつがいるようだ。

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パンティングしてパブで休憩という最高の遊び。

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新しい友だちもできた。

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自然史博物館はちょっとしょぼい。

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「刑事モース」の撮影をやっていた。