紅茶の味噌煮込み

オックスフォード留学記

「栄養バランスの先送り」はいつまで可能か?

20代も半分を過ぎると、体質というのは変わるものだ。大学卒業くらいまでは、クアラ・ルンプールを「クアラルン・プール」だと信じていたのと同じくらいの強さで、自分は何をいくら食べても太らないと思い込んでいた。しかしここ1・2年くらいで、高校時代から変わらなかった体重が漸増を始め、YAだったスーツのサイズがAへと一歩後退(あるいは前進)したことで、世の中に永遠などというものは存在しないという真理を身をもって実感することになった。まあ、もっともそれは悪いことだけではなくて、太るようになったのと同時に筋肉が付きやすくなったように感じるし、長年「大きい」ではなく「長い」と言われてきた体型が少し標準に近づいたのはむしろ良いことでもある。物事は多面的に見なければいけないのである。わかったかね。

さて、何をいくら食べても影響が出なかった(と少なくとも認識していた)時代が終わったとなると、食生活をよりきちんと考える必要がある。毎日フィッシュ・アンド・チップスばかり食っていると、じゃがいもみたいな体型になってしまうわけだ。ポテトを食べていれば「野菜」を摂取していることになり、従って栄養バランスを保つことができると固く信じている一部のイギリス人の認識を今更変えることは難しいが、少なくともそうした認識を共有していない私は、緑黄色野菜を日々の生活で一定量摂取することを意識するわけである。にんじん、ピーマン、キャベツ、抹茶パフェ、パインアメ、マンゴープリン。

とはいっても、まだ一応理論的には「若者」であるところの私は、時にはジャンクフードを食べたくなることもあるし、カレッジの食堂の野菜を使ったメニューにいまいち気を引かれないときもある。そうした時には、「次の食事で野菜を多めに食べよう」とか、「明日は野菜中心にしよう」などと考えて、自分を許すことになる。言うなれば「栄養バランスの先送り」である。

そこで疑問が生じる。この栄養バランスの先送り、いつまでなら大丈夫なのだろう。一食くらいならば問題なさそうだということは私でも分かる。ランチで野菜を摂取しなかったから、ディナーでは野菜を多めに食べようというのは誰しもやっていることだろう。では、一日ではどうだろう。今日は焼き肉に行くからあまり野菜は食べないだろうけど、その分明日食べようというやつ。これも直感的にはOKに思える。それでは2日は?3日は?1週間は?と、「栄養バランスの先送り」の限界値を求めたくなるわけである。極端な話、不惑を迎えた人が、「俺の前半生は、野菜ばかり食わされてきた。もう一生分の野菜は食ったから、これからの半生は、肉と魚しか食わない」と宣言したらどうなのだろう。いや宣言してもそれ自体は勝手にしてくれという話だが、彼の身には何が起こるのだろう、ということだ。詳しい人にぜひ教えて頂きたい。

などということを考えていたら、もうイギリスに戻る3日前になっていた。「荷造りの先送り」ができるのも、あと2日である。

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極めてバランスのとれた食事の一例