紅茶の味噌煮込み

東京駆け出し教員日記

コロナに罹った

なんと前回の投稿から2ヶ月以上も間が空いてしまった。この間何があったかというと、色々あったようでもあり、特に何もなかったようでもあるのだが、まあ人生というのは得てしてそういうものだろう。

ただ、まあ重大事件というのは確かにあって、それは何かというと初のコロナ罹患である。正直なところ、コロナ下で国際的な移動も何度もしてきたし、もはや誰もマスクをしていないこの野蛮な国であるイギリスに長い間いて、一度も罹らなかったのだから、自分はもう罹らないか、すでに罹って無症状で終わったものだと思い込んでいた節がある。先月もひどい風邪をひいて、眠れないほどの咳が一週間以上続いて苦しかったのだが、それはコロナではなかった。

なので、ある日喉が何となく痛い(大した痛みではなかった)感じがしたときは、「また風邪をひいたのか、前みたいな咳が出なければいいな」と思った程度であった。それが6月6日の夜で、だいたい全快したかなと感じたのが6月15日あたりだったので、約1週間あまり罹患していたことになる。その期間の症状を簡単にまとめると、

  • 発症日(6/6)
    若干の喉の痛み。前日の夜更かしで睡眠不足のせいで風邪を引いたかと思う。
  • 2日目(6/7)
    同じような喉の痛みと、若干の身体のだるさ。
  • 3日目(6/8)
    前日と同様。
  • 4日目(6/9)
    全身が熱くて4時ごろ起きる。鼻水や咳や痰が出始める。検査して陽性。熱は朝の37.6をmaxに、解熱剤を飲んでからは36.8から37.4の間を推移。
  • 5日目(6/10)
    また4時ごろ目が覚めると、熱はない感じだったが、眉間の辺りの頭痛と、右の喉・首筋の痛み。飲み込むと痛い。その後二度寝すると、どちらもかなりマシになる。起きてからは、風邪の症状のみ。熱は36度台後半。起きた当初、嗅覚がかなり鈍っていることを発見。香水を鼻に近づけてもよく分からない。コーヒーや部屋のフレグランスに鼻を近づけると何とかわかるかな程度。咳が少しずつ悪化している気はするが、この前の風邪の時みたいに、呼吸のたびに絶えず咳が込み上げてくるような感じではない。引き続き解熱剤を飲む。前日からやたらと喉が乾く。夕方昼寝してからちょっとしんどくなる。夕食あまり食べられず。熱は37.5までまた上がる。
  • 6日目(6/11)
    5時半頃一旦目が覚めるが、二度寝で8時くらいまで寝られる。前日までの熱っぽさや身体のだるさなどがかなり和らいでおり、これならギリギリ日常生活ができるかもという程度になっている。右の喉の痛みは目覚めた時特に強い。喉から首筋から耳の奥にかけて痛い。咳は良くはなっていない。解熱鎮痛剤は飲まなくて大丈夫。
  • 7日目(6/12)
    頭や身体の感じはもうほぼ平常通り。咳痰鼻水喉の痛みはまだあるが、少しマシになってきている感はある。
  • 8日目(6/13)
    喉の痛みがなくなる。咳が夜にかけて少しひどくなる。検査すると線がほとんど残ってない。
  • 9日目(6/14)
    咳や鼻水もマシになっている。仕事復帰する。

コロナに感染したことのある人なんて周りには余るほどいて、逆に罹ったことのない人の方が珍しいイギリスではあるが、とはいってもやはり自分が罹ってみると不安にはなるもので、こちらでは重症にならない限り病院には行けないから、とりあえず部屋でじっとしているしかなかった。リスク要因のある人だったり一定以上の年齢だったりしたら、これはまあ不安になるよなと思う。

興味深かったことが2つあって、まずは検査キットの線が、だんだん回復するにつれて薄くなっていくこと。ウイルスの検出量に応じて線の濃さが変わるらしい。写真を見てもらえればわかるが、最初に検査したときはこれ以上ないくらいはっきり線が出て、それが日数が経過するにつれて薄くなり、最後にはほとんどわからないくらいになっている。ただ一番右のやつでもまだ線は完全に消えていなくて、有と無の決定的な違いについて考えさせられた。

もう1つは、オミクロンは味覚嗅覚障害がほとんど出ないと言われていたのに、私には一定程度その症状が出たこと。正直これが一番不安で、長引くと困るなと思っていたが、幸い比較的早く回復した。面白いのは、私が部分的に失ったのは嗅覚だけで、味覚は無傷であったため、「本当の味覚」を初体験したことである。嗅覚を失うと、食べ物の「味」が思いの外弱く感じられた。というのも、我々が普段「味」だと思っているものの中には、実際は「匂い」も含まれているのである。本当の味覚とは「味マイナス匂い」だったのか!と思った。

私は模範的市民であるので陰性になるまで他人と会うのを避けていたのだが、レッセフェールの総本山であるイギリスでは、コロナに感染したら5日間は外に出ないようにしましょう(努力目標)、という程度のルールしかないので、恐らく巷には陽性の人間がうじゃうじゃいるんだろうと思った。とりあえず私は今後数ヶ月は感染することもないと思われるので、季節も良いし、旅行など積極的にしていこうと思う。