紅茶の味噌煮込み

東京駆け出し教員日記

2017-01-01から1年間の記事一覧

哀愁の街にカキフライが降るのだ

東京から関西の実家に帰ってきて数日が経った。御堂筋線には新しい車両が走り、大阪駅にはめったやたらとキレイなエリアができ、近鉄電車のえんじ色のシートはいつの間にかグレー勢力に駆逐されつつあった。もう7年近くも関西には住んでいないことになるが、…

日本に帰ると「現実」に引き戻される。

やはり東京にベースがないと、お金を出してどこかに泊まることになり、そのため無駄に散財してしまう結果になる。今回は東京の滞在期間を長く設定しすぎたようだ。奨学金などはポンドに変えてしまっているため、日本円の口座からはお金が流出するばかりなの…

ポルトガル旅行:2017年12月

東京からこんにちは。昨日の飛行機で東京に到着し、これから10日間くらい東京に滞在した後関西の実家に帰る予定である。時差ボケで朝5時頃に目が覚め、仕方ないので朝早くから大学に来て作業していた。これまであまり時差ボケというものを意識してこなかった…

今学期の雑感(MT 2017)③:来学期の課題

前回の記事はこちら ポルトガルからこんにちは。ポルトガルといえばイギリスよりも暖かいイメージで、実際気温的にはオックスフォードより5度以上高いのだが、それでもタイやインドネシアに行くのとはわけが違って、一応冬は冬である。日本でも北国の人はよ…

今学期の雑感(MT 2017)②:生活面

前回の記事はこちら 試験期間というのは嫌いだ。もう準備できているので他のことをしても良いはずなのだが、何か試験が終わるまではその対策をしていないといけないような気になる。なので結局時間を無駄にしてしまう。できればもうペーパーテストは受けたく…

今学期の雑感(MT 2017)①:研究面

あれよあれよと言う間についに今学期の全ての授業が終わってしまった。あとは月曜日にリサーチ・デザインの授業のテストがあるが、それが終われば休暇に入り、ポルトガル旅行からの一時帰国という楽しみな予定が詰まっている。といってもまあ、こっちでの生…

オックスフォードと人種差別

今週は学期の7週目であり、今学期も残すところあと2週間程度となった。12月半ばから1月初めまでは日本に帰国する予定でいる。トロントに交換留学していた時は帰国しなかったのだが、年末年始を外国で過ごすと何か気持ちが切り替わらないというか、しっくりこ…

コーヒーは人生に必要か?

オックスフォードも寒くなってきた。東京や大阪とそこまで変わるとは思わないが、気温が数度低く、緯度が高い分冬は日が短い。でも今のところ、色んな人に脅されるほどひどい冬だとは思わない。これがトロントを経験した人間の強みである、まいったか*1。 こ…

一時帰国の罠

今週は大学の授業が始まって4週目だったが、木曜の統計の授業を以て今週も終わった。オックスフォードの学事暦は、8週間×3学期になっており、各学期にはMichaelmas、Hiraly、Trinityという何だかよく分からない名前が付いている。今学期はMichaelmasなわけだ…

歴史に顔を刻む

イギリスの天気は極めて変わりやすく、「一日の中に四季がある」などと言われるほどである。ついさっきまで快晴だったと思えばじとじとと雨が降り出したり、今日は雨かと思っていたら突然晴れ出したりする。 こういう変化の激しい天気はなかなかクセモノだが…

秋風のMatriculation

先週からついに授業が始まり、バタバタしていた。オックスフォードは全体的に非効率で複雑で、非常にシステムがわかりにくいのだけど、うちの学部も例に漏れず、どの授業を取らないといけないのか、どのように成績評価がなされるのか、履修登録はしないとい…

最初の2週間@オックスフォード

結局だらだらと13記事も書いてしまったPh.D出願の記録だが、だいたい書きたいことは書けたと思うのでここで区切りとする。 それはさておき、9月26日に日本を出国し、オックスフォードでの留学生活を始めた。到着からもう2週間近くも経ったという事実にただ驚…

英米政治学Ph.D出願の記録 番外編①:英語のチェックについて

英米の大学院に出願をするためには、以前の記事で概観したような様々な出願書類を、英語で作成しなければならない。そこで非ネイティブに必ずつきまとう不安は、自分が正しい英語を書けているかというものである。いくら英語が得意でも、数字で勝負しない社…

英米政治学Ph.D出願の記録⑪:進学先を決める

前回の記事はこちら penguinist-efendi.hatenablog.com 前回は、合格が出てからいったい何が起こるのかについて書いた。出願までのプロセスについては事前に考えることも多いと思うが、実際に受かった後のことは「受かってから考えよう」と思って後回しにし…

英米政治学Ph.D出願の記録⑩:合格後に起きること

前回の記事はこちら penguinist-efendi.hatenablog.com 前回は出願後、合否が出るまでのプロセスを自分の体験も交えてお話したが、今回は実際合格が出たあとに何が起きるのかを書きたいと思う。 アメリカの場合ー教授からの連絡と大学訪問 アメリカの博士課…

英米政治学Ph.D出願の記録⑨:合否を待つ

前回の記事はこちら penguinist-efendi.hatenablog.com 前回はイギリスにおける指導教員とのコンタクトの話をしたが、今回はついに(!)出願後の話に移る。やっとここまでたどり着いた…書き始めた時は2、3記事でまとめるつもりだったのだが、気づいたらもう…

英米政治学Ph.D出願の記録⑧:指導教員候補とのコンタクトと訪問

前回の記事はこちら penguinist-efendi.hatenablog.com 前回は出願に必要な諸々の書類をまとめて概括したが、今回は出願までの最後の関門、指導教員候補とのコンタクトと訪問について書きたい。 コンタクトは必要か? まず、最初に述べておかなくてはならな…

英米政治学Ph.D出願の記録⑦:CV / SOP / Writing Sample / Personal Statement / Research Proposal

前回の記事はこちら penguinist-efendi.hatenablog.com 今回は、出願に必要な諸々の書類のうち、推薦状以外の、自分で書かなければいけない書類についてまとめて解説する。「前回まで細かく一つ一つ扱っていたくせに今回は雑にまとめてきたな、そろそろ飽き…

英米政治学Ph.D出願の記録⑥:推薦状

前回の記事はこちら penguinist-efendi.hatenablog.com 今回からはいよいよ、出願に必要な書類に関する具体的な話に入っていく。前回までの内容は前提条件として、今回からの記事で扱う部分が最終的に合否を決定付けることになるだろう。 なお、修士課程での…

英米政治学Ph.D出願の記録⑤:出願先の選択

前回の記事はこちら penguinist-efendi.hatenablog.com 前回までの記事では、出願に「先立つもの」としてのお金とスコアについて書いてきたが、今回はいよいよ博士課程に出願すると決めたところから、具体的にどの大学に出願するかを決めるまでについて扱い…

英米政治学Ph.D出願の記録④:スコアの話(TOEFL・GRE・GPA)

前回の記事はこちら penguinist-efendi.hatenablog.com 前の2回は、大学院留学に先立つものとしてのおカネについて説明した。今回は、もう1つの「先立つもの」としてのスコアの話をしていきたいと思う。 大学院留学出願において、提出する数量化されたスコア…

英米政治学Ph.D出願の記録③:お金の話(後編ー奨学金の獲得)

前回の記事はこちら penguinist-efendi.hatenablog.com 前回に引き続き今回も奨学金に関する話であるが、今回は具体的に国内奨学金の獲得について書いていきたいと思う。 さて、前回のポストで奨学金がイギリス、アメリカどちらのPh.Dに出願する場合にも重要…

英米政治学Ph.D出願の記録③:お金の話(前編ー奨学金の重要性)

前回の記事はこちら penguinist-efendi.hatenablog.com 前回はイギリスとアメリカの博士課程の違いについてまとめたが、今回からは各論に移って、個別の点について紹介していきたいと思う。 何から書くか、であるが、あえてここでは「おカネ」から書き始めた…

英米政治学Ph.D出願の記録②:イギリスとアメリカの博士課程の違い

前回の記事はこちら penguinist-efendi.hatenablog.com 前回は私のプロフィールや出願過程などについて大まかにまとめたが、各論に移る前にもう一つ、前提としてイギリスとアメリカの博士課程の違いについて説明しておこうと思う。普通、アメリカの博士課程…

英米政治学Ph.D出願の記録①:概括とタイムスケジュール

早速今回から、自分の大学院出願の記録を執筆していきたいと思うが、恐らく一連の記事はかなり長くなると思われるので、最初に私の基礎的情報と、出願全体の流れを記しておいた方が良いと思う。 プロフィール 私は2015年に東京大学法学部政治コースを卒業し…

巻頭言

ブログを作るのはあっけないほど簡単だが、ブログを続けるのは驚くほど難しい。書く時間がないわけではない。むしろ、時間があるがゆえに書けない。博士課程院生にとって、毎日は休日であり、平日である。すべての可処分時間は本来研究に割かれるべき、とい…