紅茶の味噌煮込み

東京駆け出し教員日記

2021-01-01から1年間の記事一覧

ケンブリッジで自分の授業を教える

更新が1ヶ月以上も滞ってしまった。学期に入ってから色々と非常に忙しく、充実してもいたのだが、ブログに回している時間がなかったのが正直なところである。間が空きすぎて勘が鈍ったのか、安物YouTuberみたいなタイトルしか思い浮かばなかった。この期間に…

ケンブリッジのポスドク仲間たち

すっかり更新が滞ってしまった。イギリスはどんどん寒くなってきて・・・と言おうかと思ったが、ここ最近はそんなに寒くもなく、雨もあまり降らないでどちらかというと(イギリス基準では)過ごしやすい天気が続いている。まあ、これが一瞬で暗転することは…

もう「学生」ではないということ

ケンブリッジに来て3ヶ月が経ったが、ちょうど旧年度の終わりに来たので、まだ学期中の大学というのを経験していない。それでも、ちょうど採点作業が終わって夏休みに入る前に、ケンブリッジにおける受入教員であるジェイソンや、その他の教員・ポスドクと結…

2回目接種をめぐる情報戦

制限撤廃とワクチン接種レース 日本ではオリンピックの傍ら感染者数が増え続けていることに対する懸念が高まっているが、ご存知の通り、デルタ株全盛のイギリスは毎日3万人程度の感染者数を出しつつ、今月19日からほとんどの制限が撤廃され、国内にいる限り…

所変われば

早いものでイギリス生活も4年目が終わろうとしている。もっとも、その間一時帰国したりフィールドワークに出ていた期間も長いので、実質の滞在期間はもっと短いのだが、まあイギリスに本拠を置いて4年、ということは確かだ。 前回の記事で「好きな〇〇は何で…

好きな音楽二段階仮説

「好きな〇〇」という質問 「好きな〇〇は何ですか?」と聞かれると返答に困ることがある。とはいってももちろん「好きなクワガタは何ですか?」と聞かれれば、まあやっぱりアスタコイデスノコギリクワガタと答えるだろうし、「好きなテニスラケットの振動止…

ケンブリッジ最初の2週間

博論提出から4ヶ月近くにも及んだ一時帰国を終えて、イギリスに戻ってきてから、2週間ほどが経った。最初の1週間ほどは隔離期間だったので、実質出歩いたのはまだ数日であり、右と左はわかるが、右斜め上と左斜め下はわからない、というくらいのケンブリッジ…

政治学ポスドク就活体験記③:オックスブリッジの特殊システム

前回の記事はこちら Junior Research Fellowとは 前回の記事で、オックスフォードとケンブリッジは独自のポスドクの制度を持っている、という話をちらっと書いたが、今回はそれについて説明したい。オックスフォードとケンブリッジ(+ダラム)は、「カレッ…

政治学ポスドク就活体験記②:「ポットラック」としての英国ポスドク市場

前回の記事はこちら コロナとジョブマーケット 新型コロナの流行が、中国やその周辺国の地域的な問題から、グローバルな危機へと変化したのは、2020年3月頃であった。このパンデミックの影響というのは各所に及んでいて、思わぬ形で私にも影響を及ぼすことに…

政治学ポスドク就活体験記①:ポスドクの位置づけ

このブログを始めてもう4年近くになるが、そもそもの開設動機は、政治学の分野で海外PhDに出願するための情報を提供するためであった。その後色々と愚にもつかない記事を書き続けてはや4年が経ったわけだが、そんな私もこの3月に博士号を取得し、長い院生生…

色とは色でないものである

突然だが、皆さんは何色が好きだろうか。そんなにいきなり言われても答えられないよという方が多いかもしれない。正解だ。この質問には安易に答えてはいけない。好きな色と言っても、ジャケットに選びたい色と、カーテンにしたい色と、博士論文に使いたい色…

コロナ禍のイギリスからの帰国と隔離

一体誰が、「コロナ禍」などという言葉を使い始めたのだろう。少なくとも私は、今まで日常で「禍」という漢字が入った言葉を用いた記憶はほとんどない。「コロナ禍」というのは、「新型コロナウイルスが流行しているこの社会の状態」というのを、字数制限の…

博士号の取得、あるいは長旅の終わり

このブログの読者はほとんどが私のTwitterを見ている人だと思うので、既に知ってい(て「またかよ」と思ってい)ると思うのだが、一応「本拠地」であるこちらでも博士号取得の報告をしておこうと思う。 以前のポストで書いた通り、博士論文を提出したのは今…

「ちちんぷいぷい」に捧げるレクイエム

おそらく関西圏に住んだことのない人には何のことかわからないだろう。「ちちんぷいぷい」とは、TBSと同系列の毎日放送(MBS)という関西ローカルの放送局によって、1999年から22年間ものあいだ放送されてきた、午後の情報番組である。アクの強い同時間帯の…

夜研究をしないということ

夕食後は一切研究をしないようになって、そろそろ2年が経つ。 多くの院生と同様、もともと私は昼夜の別なく、勉強や研究をやってしまう性質だった。考えてみれば中学受験の塾からして、学校が終わった後に始まり、夕食を挟んで夜まで授業が行われていたのだ…

博士論文提出!

表題の通りである。ついについに、博士論文を提出した(といってももう2週間前)。80,821語、日本語にして、だいたい16~20万字くらいなものだろうか。ダブルスペースで約300ページ。書き上げて、手放した。 12月中に全体のドラフトはできており、あとは指導…

新年の抱負

あけましておめでとうございます。 今年はトロントにいた2014年以来、久しぶりに国外で迎える新年である。どうせ日本にいても帰省はしないほうがいいのと、博論が佳境を迎えており、時差を調整する時間のロスが惜しいので、こちらに留まることにした。私は本…