オックスフォードの日常
先月の最後の週末に、オックスフォードに行ってきた。卒業式に出るためである。 といっても、私がプログラムを修了し、博士号を取得したのは2021年の2月、1年も前のことである。なぜ今頃卒業式なのかというと、まずもちろんコロナということもある。2020年の…
このブログの読者はほとんどが私のTwitterを見ている人だと思うので、既に知ってい(て「またかよ」と思ってい)ると思うのだが、一応「本拠地」であるこちらでも博士号取得の報告をしておこうと思う。 以前のポストで書いた通り、博士論文を提出したのは今…
表題の通りである。ついについに、博士論文を提出した(といってももう2週間前)。80,821語、日本語にして、だいたい16~20万字くらいなものだろうか。ダブルスペースで約300ページ。書き上げて、手放した。 12月中に全体のドラフトはできており、あとは指導…
数日前、ついに博論の終章のドラフトを書き終わった。それ以外の章は11月の頭に書き終わっていて、その後は他の章の修正をひたすらやっていたのだが、12月に入ってからついに結論に取り掛かり、ようやく書き上がったわけである。どの章を書くのも大変だが、…
芸のないタイトルを付けてしまった。それくらい博論にかかりきりで、ブログにかける時間がないということだ。ブログを書くハードルが高いのは、記事が毎回長過ぎるからなので、今回はさらっと書いてしまおうと思う(予定)。 特に今回の記事に目的はなく、最…
博論を書いている。それはそれはもう博論を書いていて、率直に言って驚いているほどだ。最近では博論を書きすぎて、「博論を書き博論を書いて読むまた博論を書いてまた読む」という、短歌史上に残る名歌を生み出してしまった。その上でポスドクのアプリケー…
9月になった。8月中旬に日本を出てこちらに戻ってきたのだが、イギリスというか欧州はもうだいぶ気温も下がってきて、最高気温は20℃前後になっている。朝晩は長袖シャツにカーディガンやセーターを羽織ってちょうどいい、といった気候だ。ヨーロッパの夏は日…
前回の更新からまた時間が経ってしまった。単調な自粛生活をしていると、時間が経つのは恐ろしいほど早く、日本に帰ってきてはや2ヶ月以上が過ぎた。4月の半ばくらいにはイギリスに戻れるかな、なんて考えていたのに、もう6月である。 その間何をしていたか…
オックスフォード生活の1・2年目と3年目で、がらっと生活が変わった。最初の2年間は、カレッジの中に住んでいて、かつキッチンが共有だったため、昼も夜もだいたいカレッジのダイニングホールで食べていた。昼はみんな授業があるので慌ただしいが、夜は食後…
早いもので今年も残り3日となってしまった。昨日日本に帰国し、年末年始を実家で過ごした後、少しだけ東京に行って、そこから渡英する予定である。 しかし我々はとかく「時が経つのは早い」と言いがちだが、一体何に比べて早いと思っているのだろうか。毎年…
暑い暑い夏の日本を出ると、そこは暑いイギリスだった。夏の間こちらに残っていた友人によると、一回寒くなって、夏は終わったと思われたらしいのだが、私が渡英した22日の前後から、また熱波が到来し、30度近い気温になっているのだ。向こうに着いたら必要…
今年度はあまりオックスフォードにいなかったので大して実感がなかったのだが、気づけばPh.D生活も2年目が終わりを迎えている。本当に「気づけば」という感じで、一時帰国して知り合いに会う度に、「もう2年経ったの?」と驚かれる。自分でも驚く。つい最近…
「あと3日で日本を出発して、留学先に戻る。次に帰国して家族や友達に会うのは、半年後だ。」―そういう夜に、「それ」はやってくる。 留学先にも大事な人達はいるし、生活も楽しいけれど、帰国した時のような心からの安心感、心の内奥に張り巡らせている膜が…
「人生山あり谷あり」と言うが、生きていれば良いことも悪いこともある。そういえばこの山あり谷ありというのはどういう意味だろう。山が良いことで谷が悪いことなのか、あるいはここには出てこない、歩くのが楽な平地だけではなくて、登るのが難しい山や上…
あけましておめでとうございます。 2018年は過ぎ去り、2019という新しい年がやってきた。「2018」という数字は埃に覆われてくすんで見えるようになり、一方で「2019」という数字にはおろしたての新鮮さを感じる。などというのは今だけのことで、我々はじきに…
言うまでもなく大晦日だ。街は静まり返り、そば屋は年に一度の特需に湧き、うどん屋はそれを見てほぞを噛み、夜になれば誰もその勝敗の行方に興味のない合戦が始まる。プロ野球選手などは「チームの勝利が最優先なので、個人の記録はどうでもいいです」など…
学期が終了し、オックスフォードは徐々に学生の数が減って空っぽになりつつあるが、私も今週パリ経由で帰国する予定だ。パリで3泊ストップオーバーするという旅程は1ヶ月ほど前に決めたのだが、ここに来てパリの政情が怪しくなってきた。毎土曜日に大規模な…
11月も今日で終わりである。月の終わりに際して、私には1つ気にかかっていることがあった。 今月は2本しかブログ記事を書いていないのである。ブログ右の「月別アーカイブ」を見て頂ければ分かるが、2018年になってから私は毎月少なくとも3本の記事を執筆し…
冬が厳しさを増してきた。やはり将軍まで出世するだけはあって、冬というやつはなかなか毎年強大な力を発揮するもので、この1・2週間であっという間にイングランドを制圧してしまった。街は戒厳令下にあり、配給制になった日光を求める人々の長蛇の列がそこ…
外国に住むということは、当然だが、生活上のあれこれを外国のものに切り替えていくということを意味する。現地の銀行にお金を移し、現地の食材を使って料理をし、現地のティッシュで鼻をかまなければならない。もちろん日本から持ってくることができるもの…
イギリスに戻ってきて、1週間が過ぎた。去年と同じ寮の建物の違う部屋に住んで、相変わらずカレッジを中心に生活を送っている。指導教員とも年度初めの顔合わせをして、今年度の計画を確認した。1月からはフィールドワークが待っているので、色々と準備をし…
今日からちょうど1週間前はTransfer of Statusという、博士論文計画のディフェンスだったのだが、この1週間はぼーっとしていたようであまりこれといった記憶もない。大した仕事をしていなかったのか、あるいは何かしていたが記憶を失っているだけなのか、ど…
昨日はロンドンに行ってきた。ロンドンはオックスフォードから電車で1時間ほどなのだが、オックスフォードという街は大きくない割に大抵の基本的なものは何でも揃うこともあって、この1年、留学前に予想していたほどには行かなかった。面白いのは、大阪とい…
夏休みに入って大半の友人が帰国してしまい、またサマースクールに来ているキッズでカレッジが溢れかえっているためにカレッジからも足が遠のいているのだが、逆にその孤独を埋めるために最近はほとんど毎日夜はオックスフォードに残っている友人と食事をし…
世界がワールドカップで盛り上がっている今日この頃だが、現在、その陰でもう1つの世界的スポーツ大会がイギリスで開催されている。ウィンブルドン・テニス選手権である。 今でこそあまりプレーもしていないが、中高テニス部で、一時期はテニス雑誌も毎月購…
先週の金曜日に博論のプロポーザル、というかイントロダクションと1章分のドラフトを提出して、Ph.D1年目が無事終わった。オックスフォードでは、DPhil(Ph.Dの呼び方)は3段階に分けられていて、第1段階がTransfer of Status、これはいわゆるプロポーザルの…
ここ最近は、1年目の終わりに提出しなければいけない博論計画の締切が迫っていることもあってその執筆に追われている毎日であり、そのせいでブログの更新が滞ってしまっていた。博論計画を6月前半に提出した後、6月後半はIQMRという質的方法論のサマースクー…
先週の後半から週末にかけてはものすごく良い天気が続いた。驚くべきことに日中の最高気温が25度近くを記録し、街は半袖の男女であふれ、芝生という芝生が日光を逃すまいとするオックスフォード住民によって占拠されていた。なかには日光を効率よく浴びるた…
そろそろ将来を見据えてこちらでも研究会・学会発表をしようと思ってアンテナを張っていたのだが、日々色んなところから流れてくるメールを丹念に読んでいるとそこら中で色んな機会があることが分かった。ここにそれを書いたところで誰の得になるわけでもな…
オックスフォード生活の2学期目も初週が終わり、大体今学期のリズムが見えてきた。今学期履修している授業は以下の通りである。 Research Design and Approaches to Research in International Relations DPhilとMPhil合同の必修授業。Andrew Hurrellという…