紅茶の味噌煮込み

東京駆け出し教員日記

2020-01-01から1年間の記事一覧

2020年に読んだ小説

さてさて、年の瀬である。とはいっても今年の場合は、「もう終わるのか」ではなく「やっと終わるのか」、あるいは「いつ始まったのか」というのが正直な感想である人も多いことだろう。それくらい異常な年であった。 私にとってもめちゃくちゃな年で、留学中…

博論執筆中の息抜き

数日前、ついに博論の終章のドラフトを書き終わった。それ以外の章は11月の頭に書き終わっていて、その後は他の章の修正をひたすらやっていたのだが、12月に入ってからついに結論に取り掛かり、ようやく書き上がったわけである。どの章を書くのも大変だが、…

受賞、競争、その他雑感

芸のないタイトルを付けてしまった。それくらい博論にかかりきりで、ブログにかける時間がないということだ。ブログを書くハードルが高いのは、記事が毎回長過ぎるからなので、今回はさらっと書いてしまおうと思う(予定)。 特に今回の記事に目的はなく、最…

年齢確認のたそがれ

博論を書いている。それはそれはもう博論を書いていて、率直に言って驚いているほどだ。最近では博論を書きすぎて、「博論を書き博論を書いて読むまた博論を書いてまた読む」という、短歌史上に残る名歌を生み出してしまった。その上でポスドクのアプリケー…

中間審査に合格/ジョブマーケット近づく

9月になった。8月中旬に日本を出てこちらに戻ってきたのだが、イギリスというか欧州はもうだいぶ気温も下がってきて、最高気温は20℃前後になっている。朝晩は長袖シャツにカーディガンやセーターを羽織ってちょうどいい、といった気候だ。ヨーロッパの夏は日…

なぜ蚊に刺されるとかゆいのか

夏である。私は7月生まれということもあり、幼い頃から夏を愛してきた。梅雨が明けてセミの声が聞こえ始めると心が浮き立ち(※このセミはクマゼミでなければならない)、広葉樹の林を目にすればそこに棲んでいるであろうクワガタやカブトムシに思いを馳せ、…

論文が初引用された!

研究者というのは、研究の成果として論文や著書を発表する生き物だが、その出した成果が他の研究者などから参照されることに喜びを見出す生き物でもある。自分の研究が誰かの「参考文献」となることは、端的に言って嬉しい。 先日、Google Scholarから一通の…

短歌にハマった

突然だが、人間にとって(主語が大きい)、心の平安を保つためには、複数の拠りどころを持つことが重要だと思う。人間関係という意味でも、1人しか友達がいなければその人と喧嘩してしまえば誰にも相談できなくなるし、本業の仕事だけにあまりに打ち込みすぎ…

自粛生活、その後

前回の更新からまた時間が経ってしまった。単調な自粛生活をしていると、時間が経つのは恐ろしいほど早く、日本に帰ってきてはや2ヶ月以上が過ぎた。4月の半ばくらいにはイギリスに戻れるかな、なんて考えていたのに、もう6月である。 その間何をしていたか…

イギリス飯マズ論争の交通整理

人は老いる。花は散り、季節はめぐり、ネロとパトラッシュは天に召される。世の中には避けられない運命というものがあることは、私のような若造の言を俟たないのだが、そうした運命のひとつに、「イギリスに留学すると言うと『ご飯が美味しくない』と言われ…

論文をオープンアクセスにする

ブログを1ヶ月近くも放置してしまった。帰国してホテルで自主隔離をして以降は、ずっと実家で研究をしている。ヨーロッパの緊迫した状況に比べると、日本は緊急事態宣言が出てもまだまだ牧歌的で、それが逆に恐ろしいくらいだ。なので感染の可能性やロックダ…

種をまく:「コロナ時代」をどうしのぐか

「コロナ時代」を生きている。2ヶ月前には、中国が何だか大変なことになっている、という程度の認識だった。1ヶ月前には、日本を含むアジアに感染が広がり始めたことが心配になり、一方でヨーロッパではアジア人に対する差別や偏見が散見されるようになった…

坂本さんの手、あるいは「青春」の記憶

上京して大学に入学してからトロントに交換留学するまでの二年ちょっとの間、民間の学生マンションのようなところに住んでいた。大学の寮や県人寮みたいな、共同体的な感じのところではなくて、住人は学生という以外特に共通点もなく、会えば話すことはある…

オックスフォード日本食事情:自炊編

オックスフォード生活の1・2年目と3年目で、がらっと生活が変わった。最初の2年間は、カレッジの中に住んでいて、かつキッチンが共有だったため、昼も夜もだいたいカレッジのダイニングホールで食べていた。昼はみんな授業があるので慌ただしいが、夜は食後…

非専門家でも読みやすい、国際情勢関連の英文ジャーナル

かつて日本の法学部や法学政治学研究科に所属していた頃、所属を明かすと「弁護士になるの?」と聞かれた。いや、私は法学じゃなくて政治学をやっているんですと言うと、「じゃあ政治家になるんだ?」と続く。政治学者に政治家になりたいかを聞くのは、ミジ…

冬休みの一時帰国

年末年始の一時帰国を終え、10日の夜にオックスフォードに戻ってきた。日本の冬はよく晴れいて、寒さもそこまで厳しくなく、ヨーロッパと比べると格段に過ごしやすい。夏はまったく逆になるので、冬に長く帰り、夏に短く帰る方が本来良いと思うのだが、学事…