紅茶の味噌煮込み

東京駆け出し教員日記

オックスフォードに戻ってきました

暑い暑い夏の日本を出ると、そこは暑いイギリスだった。夏の間こちらに残っていた友人によると、一回寒くなって、夏は終わったと思われたらしいのだが、私が渡英した22日の前後から、また熱波が到来し、30度近い気温になっているのだ。向こうに着いたら必要かも、と思って長袖をバックパックに忍ばせて行ったのだが、まったく必要なかった。もっとも、朝晩は多少冷え込む。

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ヨーロッパの夏の暑さというのは、もちろん日本や東南アジアのそれと比べれば何ということはないのだが、それはあくまで外にいる場合のことである。日本では屋内はほぼどこでもエアコンが整備されており、中に入れば涼しいのに対し、イギリスでは普通の住宅にはエアコンなどというものはなく、そのため暑い日の屋内は悲惨なことになる。

これは日本の冬とアナロジーで語ることができる。日本の冬は、外気温的にはイギリスの冬と比べれば何ということはない。しかし、イギリスではほとんどの建物にセントラルヒーティングが整備されており、屋内が暖かく保たれているのに対し、日本では北国を除いてそのような設備はなく、部屋が凍えるような寒さになってしまう。日本の夏:イギリスの夏=イギリスの冬:日本の冬、なのである。

イギリスらしく、長々と天気の話を展開してしまったが、オックスフォードに戻るのは実はとても久しぶりである。フィールドワークの関係で去年は1学期目しかこちらにいなかった。約8ヶ月ぶりのオックスフォード。久しぶりに戻ってくるとやはり懐かしい感じはする。

去年まではカレッジのアコモデーション(寮)に住んでいたのだが、今年からは大学所有のフラットに住むことになった。新しくて広い、かなり良い部屋に入ることができたので満足している。部屋探しというのは面倒で、民間で部屋を借りると、不動産屋とのやり取りもややこしいし、中心部にはほとんどめぼしい部屋はない。必然的にかなり妥協せざるを得なくなってしまう。ラッキーだった。

キッチンなどはシェアで周りの部屋の住人も顔見知りだった去年までと比べると、全て自室に揃っていて、周りの住人とも接点のない新しい環境は、独立して落ち着けるという点ではいいのだが、一方で人と交流する機会が減ってしまうのではないかとも危惧している。日本での大学院生活で一番のマイナスポイントだったのは、普段の人間関係が研究科内に限定されてしまって、一人暮らしの部屋と大学の往復になってしまうことだったから、オックスフォードのカレッジというシステムは非常に私にとってありがたかった。去年までは生活していれば自然に交流が生まれたが、今年は意識して外に出たり、人と会ったりするようにしようと思う。

とりあえず、月末までは色々と必要なものを買い揃えたりして、月末から1週間少々、大陸各地に友達を訪ねる旅をする予定だ。その後はロンドンにちょくちょく通って資料収集をしつつ、新年度に向けて準備をしなければ。

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カタールで一緒だったケンブリッジの友人と再会して飲んだ今年1杯目のPimm's。