紅茶の味噌煮込み

東京駆け出し教員日記

あるトップス至上主義者の転向

ある媒体で年2回ほど書評を担当することになって、少し前まで原稿を書いていたのだが、今回対象に選んだ本が、日本のファッション史というか、具体的には男性のTシャツの歴史についての本だった。私の親世代はTシャツの裾はインしていて、それが非常にダサく見え、自分たちは常にアウトしていたわけだが、逆に今の10代・20代はインに回帰している。

ファッションのトレンドは循環するということだが、同じことはパンツの裾(太さ)にも言える。10年ほど前まではスキニージーンズが当たり前だったが、今はNGアイテムになっており、若者たちはこぞって太身のパンツを履き、トップスもビッグシルエットが全盛である。

まあそういうわけで服装についてしばらく考えていたわけだが、私個人としても、去年から今年にかけて、1つ大きな変化があった。元々私はシャツとかセーターとかコートとか、上半身の服装についてはわりとこだわりを持っていたものの、パンツについては変でなければいいや、という程度で、ユニクロジーンズやチノパンなんかを適当に履いていた(いいと思うけど)。靴も割と好きなのに、なぜかボトムスだけ興味がなかった。他は加点法、ボトムスだけ減点法で見ていたのである。

それが最近になって大きく変化し、ボトムスこそがファッションの要ではないか、などと思うようになってきた。これまではトップスから服を選んでいたのが、このパンツを履きたいからこのシャツにしよう、という逆の順番で服選びをするようになった。私のクローゼットは大半がイギリス時代にサンプルセールなどで買った服で構成されているのだが、去年イギリスにいた時に買ったリネンやコーデュロイのスラックスを履くようになったり、バーンストーマーやPt. Alfredのチノパンを買ってみたり、スーツのパンツもタックを入れてベルトループをなくしてサイドアジャスターにした方がかっこいいな、などと思うようになった。

ついには、ボトムスさえこだわりの一品を履いていれば、上半身などユニクロで良いのではないか、などと極端なことを考え始めている。まだまだレパートリーが足りないので、ボトムスをもっと集めたい。ある程度融通が利くトップスのサイズと違って、ボトムスは長さや太さが合わないと致命的だし、後から詰めてもらったりするのが面倒なので、どうしてもネットショッピングでは買いにくいのが難点ではある。でもこれまでほとんど素通りしていたボトムスのセクションを丹念に見るようになったのは、面白い変化である。

たしか4-5年前までは、靴にも大したこだわりがなかったのだが、イギリス時代にノーサンプトンという街にある有名な革靴メーカーのファクトリーショップに買いに行ってから、急速に興味が生まれ、こだわるようになった。トップス→靴→ボトムス、と来て、次は何にこだわるようになるのだろうか。メガネ?時計?アクセサリー?人生は長いので、変化を楽しみながら生きたいものである。

そういえば、3年前に「ロンドンでメンズ服を買う」というシリーズ記事を書こうとして、怠惰さゆえに導入で終わってしまっているので、できれば近いうちに復活させたいと思う。さて、実現できるだろうか・・・。