紅茶の味噌煮込み

東京駆け出し教員日記

2018-01-01から1年間の記事一覧

本文化と論文文化

研究者として、研究成果を発表して世に問うのは最も中心的な仕事である。自分も良い研究をして、できるだけ多くの読者を獲得したいと思っている。だが、その研究をいかなる媒体で発表するかという点においては、分野やアプローチによって大きな隔たりがある…

オックスフォードカレッジ紀行①:St. Antony's College

以前の記事で「これから色んなカレッジを順番に紹介していきます」などと言ったにも関わらず、結局その後1ヶ月近くも更新していなかった。というかブログの更新自体にかなり間が空いてしまっている。博士課程1年目の終わりに出す研究計画書のドラフトを春休…

政治学におけるポスドク事情:キャリアセミナーまとめ

約1ヶ月ほど前に、学部で“The Academic Career Path: Postdocs”と題したポスドクについてのワークショップがあった。オックスフォードは以前はこういうキャリアセミナーみたいなものもなく、さらにアメリカのトップ校では当たり前のようにウェブサイトで公開…

オックスフォードカレッジ紀行⓪:前置き―カレッジという制度

最近忙しく、ブログの更新が滞ってしまっていた。書き続けなければ埋もれてしまうだけ(書き続けていても埋もれてしまうけど…)なので、時間を見つけて何かしら書いていきたいと思う。 さてこのところ少々堅めの話題が続いていたので、今回はソフトなテーマ…

Opportunities

そろそろ将来を見据えてこちらでも研究会・学会発表をしようと思ってアンテナを張っていたのだが、日々色んなところから流れてくるメールを丹念に読んでいるとそこら中で色んな機会があることが分かった。ここにそれを書いたところで誰の得になるわけでもな…

夢のない時代に生きている(?)

こっちで友人と話す時によく聞かれることの1つに、「Ph.Dを取ったら日本に帰るのか?」というものがある。これを聞かれるたびに、うーん、と答えに窮してしまう。 海外でPh.Dを取ろうと思ったのは、英語で研究を発表して世界に読者を持てるようになるという…

タイトルの再変更について

このブログのタイトル、今は主題が「紅茶の味噌煮込み」、副題が「オックスフォード留学記」となっていて、始めた当初もそうだったのだが、実は少しの間逆にしていた。 というのも、元々の(つまり今の)タイトルだと、「オックスフォード ブログ」などで検…

今学期の授業(HT 2018)

オックスフォード生活の2学期目も初週が終わり、大体今学期のリズムが見えてきた。今学期履修している授業は以下の通りである。 Research Design and Approaches to Research in International Relations DPhilとMPhil合同の必修授業。Andrew Hurrellという…

銃・病原菌・桐灰

望むと望まざるとに関わらず、関西出身者が東京に出るということには様々な結果が伴う。「方言残ってるね」と言う関東人に、関西弁は方言ではないという当然の事実を理解させなければならないし、全ての関西人がお笑い芸人ではないという彼らにとって驚きの…