今日は少し寒かったが、ここ数日春のような陽気が続いていた。外を歩いていてもふとした瞬間に春の匂いが漂ってくるような気がして、つい深呼吸してしまう。先週末は湯島天神の「梅まつり」に行ってきたが、桜ほど派手ではなく、淡い梅の花が裸の枝に小さく…
「1月は行く」などとその過ぎる早さを指して言われるが、2023年の1月は私にとってはかなり長かった。正月早々、実家から帰京しようと思った矢先に母親のコロナ感染が発覚して滞在を延長し、ようやく東京に戻ってきたと思ったら今度は手足口病のような発疹が…
いつの間にか2022年も終わり、2023年になった。年をとるにつれて、1年が経つのが早くなるとはよく言う話だが、去年に限っては逆に随分長く感じた。というのも、やはり変化の大きい年であったということが一番の理由だろう。夏まではまだイギリスにいたのでそ…
先月頭にEuropean Journal of International Relationsという雑誌に、新しい論文が掲載された。私は博士課程まで、「天然資源が主権国家の独立過程に与えた影響」というテーマを研究していて、事例としては東南アジアのブルネイ、中東のカタールやバーレーン…
Twitterがもうすぐ崩壊するかもしれないという話がにわかに現実味を帯びてきて、フォローしている海外の研究者の中にはMastodonという別のメディアに移動するという人もちらほら出てきた。かと思うと日本の政治学界隈では、そんなことなどどこ吹く風でまた方…
日本に帰ってきてから1ヶ月半あまりが過ぎたが、国を越えた引っ越しというのは大変なもので、5年間で溜まった荷物や家具などを整理するのも一苦労だったし、5年間住んでいなかった国で新たな生活を立ち上げるのもなかなか骨の折れるものだった。 不動産屋と…
東京でこの記事を書いている。 ブログの方では発表していなかったのだが、この度自分が学生時代を過ごした東京大学に職を得ることになり、それに合わせて本帰国した。博士課程のためにオックスフォードに旅立ったのが2017年のちょうど今頃であったから、その…
やはり5年間海外で生活していると、色んなことが現地化されてくるもので、つまみもなしにビールが飲めるようになるし、パブで仕事ができるようにもなるし、休日など昼間からビールを飲んでも罪悪感を覚えなくなる。Sushiを寿司とは別モノとして評価できるよ…
なんと前回の投稿から2ヶ月以上も間が空いてしまった。この間何があったかというと、色々あったようでもあり、特に何もなかったようでもあるのだが、まあ人生というのは得てしてそういうものだろう。 ただ、まあ重大事件というのは確かにあって、それは何か…
先月の下旬から昨日まで約2週間にわたって、2つの学会に出席するためにハワイとテネシーのナッシュビルに行ってきた。数日毎に違うタイムゾーンに移動し、2週間も外泊するのはけっこう体力的にもしんどかったが、とても実りある時間だったので簡単に書いてお…
先月の最後の週末に、オックスフォードに行ってきた。卒業式に出るためである。 といっても、私がプログラムを修了し、博士号を取得したのは2021年の2月、1年も前のことである。なぜ今頃卒業式なのかというと、まずもちろんコロナということもある。2020年の…
突然だが、タマネギが嫌いだ。外皮を見れば一見フルーツのような姿をしていながら、剥いてみればどこまでが皮なんだかわからないような無限繰り返しの白い板の集積で、包丁で切れば目がやられるし、食べてみると、付け合せのサブみたいな顔をしていながらそ…
新年が始まって2週間ほどが過ぎた。私は去年と同じく今年も年末年始に帰国することはできず、海外での年越しとなった。夏はヨーロッパ、冬は日本/アジアという過ごし方ができれば最高なのだが、残念ながらなかなかそうもいかない。これからイギリスは寒さが…
昨年と変わらず、2021年もめちゃくちゃな1年だったが、パンデミックも1年以上経つとずいぶんと慣れてきて、急な予定の変更などにもあまり動じなくなってきた。それが良いことかというと必ずしもそうではなくて、要するに最初から半分諦めてしまっているとい…
更新が1ヶ月以上も滞ってしまった。学期に入ってから色々と非常に忙しく、充実してもいたのだが、ブログに回している時間がなかったのが正直なところである。間が空きすぎて勘が鈍ったのか、安物YouTuberみたいなタイトルしか思い浮かばなかった。この期間に…
すっかり更新が滞ってしまった。イギリスはどんどん寒くなってきて・・・と言おうかと思ったが、ここ最近はそんなに寒くもなく、雨もあまり降らないでどちらかというと(イギリス基準では)過ごしやすい天気が続いている。まあ、これが一瞬で暗転することは…
ケンブリッジに来て3ヶ月が経ったが、ちょうど旧年度の終わりに来たので、まだ学期中の大学というのを経験していない。それでも、ちょうど採点作業が終わって夏休みに入る前に、ケンブリッジにおける受入教員であるジェイソンや、その他の教員・ポスドクと結…
制限撤廃とワクチン接種レース 日本ではオリンピックの傍ら感染者数が増え続けていることに対する懸念が高まっているが、ご存知の通り、デルタ株全盛のイギリスは毎日3万人程度の感染者数を出しつつ、今月19日からほとんどの制限が撤廃され、国内にいる限り…
早いものでイギリス生活も4年目が終わろうとしている。もっとも、その間一時帰国したりフィールドワークに出ていた期間も長いので、実質の滞在期間はもっと短いのだが、まあイギリスに本拠を置いて4年、ということは確かだ。 前回の記事で「好きな〇〇は何で…
「好きな〇〇」という質問 「好きな〇〇は何ですか?」と聞かれると返答に困ることがある。とはいってももちろん「好きなクワガタは何ですか?」と聞かれれば、まあやっぱりアスタコイデスノコギリクワガタと答えるだろうし、「好きなテニスラケットの振動止…
博論提出から4ヶ月近くにも及んだ一時帰国を終えて、イギリスに戻ってきてから、2週間ほどが経った。最初の1週間ほどは隔離期間だったので、実質出歩いたのはまだ数日であり、右と左はわかるが、右斜め上と左斜め下はわからない、というくらいのケンブリッジ…
前回の記事はこちら Junior Research Fellowとは 前回の記事で、オックスフォードとケンブリッジは独自のポスドクの制度を持っている、という話をちらっと書いたが、今回はそれについて説明したい。オックスフォードとケンブリッジ(+ダラム)は、「カレッ…
前回の記事はこちら コロナとジョブマーケット 新型コロナの流行が、中国やその周辺国の地域的な問題から、グローバルな危機へと変化したのは、2020年3月頃であった。このパンデミックの影響というのは各所に及んでいて、思わぬ形で私にも影響を及ぼすことに…
このブログを始めてもう4年近くになるが、そもそもの開設動機は、政治学の分野で海外PhDに出願するための情報を提供するためであった。その後色々と愚にもつかない記事を書き続けてはや4年が経ったわけだが、そんな私もこの3月に博士号を取得し、長い院生生…
突然だが、皆さんは何色が好きだろうか。そんなにいきなり言われても答えられないよという方が多いかもしれない。正解だ。この質問には安易に答えてはいけない。好きな色と言っても、ジャケットに選びたい色と、カーテンにしたい色と、博士論文に使いたい色…
一体誰が、「コロナ禍」などという言葉を使い始めたのだろう。少なくとも私は、今まで日常で「禍」という漢字が入った言葉を用いた記憶はほとんどない。「コロナ禍」というのは、「新型コロナウイルスが流行しているこの社会の状態」というのを、字数制限の…
このブログの読者はほとんどが私のTwitterを見ている人だと思うので、既に知ってい(て「またかよ」と思ってい)ると思うのだが、一応「本拠地」であるこちらでも博士号取得の報告をしておこうと思う。 以前のポストで書いた通り、博士論文を提出したのは今…
おそらく関西圏に住んだことのない人には何のことかわからないだろう。「ちちんぷいぷい」とは、TBSと同系列の毎日放送(MBS)という関西ローカルの放送局によって、1999年から22年間ものあいだ放送されてきた、午後の情報番組である。アクの強い同時間帯の…
夕食後は一切研究をしないようになって、そろそろ2年が経つ。 多くの院生と同様、もともと私は昼夜の別なく、勉強や研究をやってしまう性質だった。考えてみれば中学受験の塾からして、学校が終わった後に始まり、夕食を挟んで夜まで授業が行われていたのだ…
表題の通りである。ついについに、博士論文を提出した(といってももう2週間前)。80,821語、日本語にして、だいたい16~20万字くらいなものだろうか。ダブルスペースで約300ページ。書き上げて、手放した。 12月中に全体のドラフトはできており、あとは指導…